ヨハネ 22
1 これらのことの後、イエスはテベリヤの海で弟子たちに再びご自分を示された。そして、ご自身を現されたのはこのような方法であった。
2 シモン・ペテロと、デドモと呼ばれるトマスと、ガリラヤのカナ出身のナタナエルと、ゼベダイの息子たちと、イエスの他の弟子二人が共にいた。
3 シモン・ペテロは彼らに言った。「私は漁に行く。」彼らはペテロに言った。「私たちもあなたと一緒に行く。」彼らは出て行って、すぐ船に乗り込んだ。そして、その夜は、捕ったものは何もなかった。
4 さて、すでに夜が明けてから、イエスは岸に立っておられた。しかし、それがイエスであると、弟子たちは分からなかった。
5 そこで、イエスは彼らに言われた。「子らよ、食べられそうな魚は何かありますか。」彼らは答えた。「ありません。」
6 それで、イエスは彼らに言われた。「網を船の右側に投げなさい。そこであなたがたは魚を見つけます。」それで、網を投げると、おびただしい魚で、もう網を引き上げることができなかった。
7 ゆえに、イエスが愛されたあの弟子がペテロに言った。「主です。」それで、シモン・ペテロは、主であると聞いて、裸であったので、上着を身に付け、湖に飛び込んだ。
8 しかし、他の弟子たちは、魚の入った網を引きながら小舟で来た。なぜなら、およそ距離は二百ペーキュス①
9 そこで彼らは陸に上がったら、そこに炭火があり、その上にのせた魚があり、そしてパンがあるのが見えた。
10 イエスは彼らに言われた。「今捕った魚を少し持って来なさい。」
11 シモン・ペテロは上がって来て、網を陸の上に引っ張り上げた。網は大きな魚でいっぱいで、百五十三匹いた。このように多かったが、網はさけなかった。
12 イエスは彼らに言われた。「来て、朝食を食べなさい。」主であると知っていたので、弟子たちは誰も、「あなたは誰ですか。」と尋ねることはあえてしなかったのである。
13 それから、イエスは来て、パンを取り、彼らに与え、また同様に魚もお与えになった。
14 イエスが死人の中から復活された後、ご自分の弟子たちに自らを示されたのは、これがすでに三度目である。
15 さて、彼らが朝食を食べ終わった時、イエスはシモン・ペテロに言われた。「ヨナの息子シモンよ、これらのものよりわたしを愛していますか。」彼はイエスに言った。「はい、主よ、私があなたのことが大好きであることをあなたはご存知です。」イエスは彼に言われた。「わたしの子羊たちに食事をさせなさい。」
16 二度目に、イエスはまたペテロに言われた。「ヨナの息子シモンよ、わたしを愛していますか。」彼はイエスに言った。「はい、主よ、私があなたのことが大好きであることを、あなたはご存知です。」イエスは彼に言われた。「わたしの羊たちを飼いなさい。」
17 三度目、イエスはペテロに言われた。「ヨナの息子シモンよ、わたしのことが大好きですか。」イエスは彼に、「わたしのことが大好きですか。」と三度目に言われたので、ペテロは悲しんだ。そして、ペテロは主に言った。「主よ、あなたはすべてご存知です。私があなたのことが大好きであることをご存知です。」イエスは彼に言われた。「わたしの羊たちに食事をさせなさい。
18 まことに、まことに、あなたに言います。あなたがもっと若かった時は、あなたは自分で服を着て、望む所へ歩いて行きました。しかし、あなたは歳を取ると、自分の手を差し出すようになり、そして、他人があなたに服を着せ、あなたの望んでいない所へ連れて行きます。」
19 イエスはこれを言われたのは、ペテロがどういう死によって、神に栄光を捧げるかを示すためであった。そして、イエスはこれを話されてから、ペテロに言われた。「わたしに従いなさい。」
20 すると、ペテロは振り向いて、イエスが愛された一人の弟子がついて来るのを見た。それはまた、夕食でイエスの御胸に寄りかかって座って、「主よ、誰があなたを裏切る者ですか。」とイエスに尋ねた者であった。
21 その者を見て、ペテロはイエスに言った。「主よ、あの者は何を?」
22 イエスはペテロに言われた。「もしわたしが、あの者がわたしが来るまで残ると決めるとしても、それがあなたにどうしたというのか。あなたはわたしに従いなさい。」
23 それで、あの弟子は死なないと言うこの言葉は、兄弟たちの間に広がった。しかし、イエスは彼に、「あの人は死なない。」と言われたのではなく、「もしわたしは、あの者がわたしが来るまで残ると決めるとしても、それがあなたにどうしたというのか。」と言われたのである。
24 この弟子こそが、これらのことについて証をして、そしてこれらのことを書いたのである。そして、彼の証は真実であることを、私たちは知っている。
25 しかし、イエスが行なわれたことは、他にもたくさんある。それらの一つ一つ、もし書かれたとすれば、世界でさえ、その書かれた本を収める余地はない、と私は思う。アーメン。